2011年4月18日月曜日

福島原発事故の収束報道の不思議

 東京電力から、「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」が発表されました。解決への道筋が表明されたことは評価してよいと思います。しかし、この報道を巡ってなんだか先走っているような印象を受けます。今回の報道では、目標として1号機から3号機までを冷温停止状態にするように読めないこともないのですが、現状としては2号機からの漏れが指摘されており、冷却のステップも1,3号機とは異なり、密閉作業が必要であり、密閉作業が完成するまでは長期化する恐れがあると、資料にも記載があります。ということで、今回の道筋は1、3号機に関しては収束まで視野に入れた発表であり、2号機に関しては収束までの目処は立っていないと理解しました。
 
 このことは、NHKのニュースでも説明があったかと思いますが、今日のニュースを聞いているとなんだか早ければ6ヵ月で収束するような報道に変わっていました。なぜなんでしょう? 2号機に関してはまだ目処が十分たっていないのに。しかも、今回の対応において、2号機に起因する作業の遅れが1号機、3号機に影響を与えることを加味していません。今日のマスコミ報道は、まるで6ヵ月で収束するように期待を持たせていますけど、いいのかな?
 
 思うに、今の2号機の格納容器の破損がさらに進む恐れだってもう考慮すべきリスクだと思いますが、東電の今回の発表には考慮されていませんでした。多くのリスクを挙げてはありましたが、小生にはどうしても楽観的にリスクをピックアップしているように感じますし、マスコミの報道がさらに拍車をかけているようです。日本人のリスク管理は実に不思議です。こんなことでは、またいずれ同様の事故が起きるように思えてなりません。

 福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋
  http://www.tepco.co.jp/cc/press/11041702-j.html

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