2009年5月31日日曜日

インフルエンザ対策の問題・課題

 ようやく新型インフルエンザも沈静化に向かったようで、マスコミ等でもトップニュース扱いにはならなくなりました。今思えば、このインフルエンザ騒ぎはなんだったのでしょうか? 日本でも感染者が出ましたが、少なくとも死者がでるには至っていません。重症という人も聞いていません。海外では何人か重症患者出てしまったようですが、これは新型インフルエンザ特有の症状と言えるのでしょうか? 小生は、どうしてもこれほど騒ぐ必要が本当にあったのか、不思議でなりません。

 今回、日本では水際対策と称して感染者が発生した国から直行便でやってきた人に対して機内検疫を実施しました。確か7名ほどが検疫で国内に入国することを防ぐことができました。これはそれなりの効果と言えるでしょう。しかし、日本国内だけでも感染者は300名を超えているのです。おそらく、水際対策の実施によって約1週間は日本国内に感染を広めることを遅らせることができたと思います。これも大きな効果でしょう。でもこの1週間の間にどれだけの本格的な対策を実施することができたのでしょうか? ワクチンもまだ十分に用意できていない。タミフルが新型インフルエンザに有効なことは確認できたけど、耐性を持ったウィルスの出現を恐れて十分な対策ができてないのが現状です。

 今回のメキシコ発の新型インフルエンザは、それほど毒性の強いものではなかったと宣伝されています。でも、インフルエンザは常に変化しており、いつ毒性を強めるかわからないから油断するなとも言われています。これは決して間違いではないのですが、これは全てのインフルエンザウィルスにいえる特性ではないでしょうか? なぜ、ここまで新型インフルエンザだけを特別視するのでしょうか? これだけ危険を煽るのは日本だけでしょう。海外では、インフルエンザの情報を得ることすら難しかったです。

 伝染病の流行は防がなければなりません。ですが、その対策のために不利益を被る人もいます。今回のインフルエンザ騒ぎによって、客足が減った、場合によっては倒産にまで陥ったという話を聞きます。また、水際対策によって、予定していた行動をとれず、ホテルに缶詰にされてしまった人もいます。この人たちは、インフルエンザ対策だから、しょうがないなどと考えてよいものでしょうか? 国はこれらの人に対して何も保証していません。にも関わらず、ほとんど効果があったとは言えない水際対策を反省し、もっと強化せよという話すら聞こえてきます。この意見は本当に科学的根拠に基づいたものと言えるのでしょうか?

 今回の水際対策は、大前提として、

  ①日本国内では新型インフルエンザは発生しない
  ②人を通じてしか日本国内に新型インフルエンザは侵入してこない

とあるような気がします。上記の2つの条件は確かですか? 新型インフルエンザは鳥インフルエンザが基にになると考えられています。それが豚を通じて人間にも感染するウィルスに変化すると考えられています。と言うことは、鳥を媒体にして日本に侵入してくるもあります。というか、その方が確率が高いのです。水際対策は残念ながら有効に機能すると期待するのは間違っているでしょう。(もちろん、機能すればそれにこしたことはないのですが。)

 今回のインフルエンザ騒ぎ、どう考えても騒ぎすぎ。それによって、経済的不利益を被った人が多いことを考えると、あまりに配慮に欠けると言わざるを得ません。このような騒ぎを利用してビジネスを考える人がいることも人として許せません。みなさんはどう考えますか?

2009年5月17日日曜日

インフルエンザ対策の不思議②

 新型インフルエンザの国内感染者がついに40人を超えました。まだ、他にも熱・吐き気などを訴えている人が100人もいるようです。もう既に国内での感染が拡大しているのははっきりしています。なのに、大阪では、学校の1週間休学、イベントの中止などの対策が行われています。これでは、経済的に打撃を受ける人もいることでしょう。

 水際対策は一定以上の効果があったと思います。それは日本国内での感染を1週間以上、遅らせたという効果です。それによって、正しい情報が国民に伝わり、かつワクチンを準備する時間をつくることができました。これが水際対策の最大の効果でしょう。しかし、これ以上、水際対策を続ける意義はどこにあるのでしょうか? 水際対策を行っても、日本国内にいる人から人への感染が急拡大しており、これを防ぐ手段は難しいはずです。

 もう水際対策をやめて通常のインフルエンザへの対策に切り替えませんか? タミフルなどのワクチンが有効なんでしょ? タミフルが不足しているなどと言われていますが、なくなる前に生産すればよいこと。そもそも、新型インフルエンザの毒性は強くないのだから、こんなに話題にすることが間違っています。もしも、本当に毒性の強いインフルエンザが出現したら、今度はどんな対策になるのでしょうか? 同じレベルで対策をとるなどと考えていたらのなら、これは恐ろしいです。

2009年5月10日日曜日

インフルエンザ対策の不思議

 ついに日本国内からの新型インフルエンザの感染者が出てしまいました。それまで、水際対策と称して感染者が出た国から帰国してくる人に対して、検査を行っていました。最初に簡易検査を行って、A型インフルエンザに感染していると次の検査へ進んでいくのだけど、この段階でマスコミに「感染の疑い」と出てしまって必要以上にパニックを引き起こしているようだ。情報を正しく、素早く公開する必要はあるが、マスコミの報道の仕方はあまりに稚拙である。行政機関がどんなに優れたマニュアルを作って対応していても、マスコミがそれをぶち壊しているようで、マスコミに対してもパンデミック対策をとるよう指導すべきだろうと思う。

 このゴールデンウィークを利用して、中国へ旅行してきたのだが、中国では少なくともここまでの騒ぎには至っていない。新聞の一面には出ていたが、記事の分量は少ないし、テレビでもここまでではなかった。マスコミが変に煽るからいけないのだろうが、日本の対策はあまりにメリハリが利いていないように感じる。少なくとも今回のH1N1型は弱毒性なのだから、大騒ぎする必要はなかったはず。もしも強毒性のインフルエンザが蔓延するようであれば、しっかり対策が出来ればいい。日本人にはこのようなメリハリをつけた行動ができるであろうか?

 それにしても今回の厚生労働省の対策は妙ですね。水際対策はあくまでも時間稼ぎに過ぎないはず。この時間を利用して新型インフルエンザに有効なワクチンを準備していると思えば、タミフルが有効とのことであまりワクチンの開発が遅れている。なんのための水際対策か。また、水際対策をいつまでやるのだろうか? もう国内感染が始まってしまったら、水際対策は意味がなく、次に国民の一人ひとりが対策をするように呼びかけていくべきだろうに。

2009年5月1日金曜日

名門クライスラーの破綻

 アメリカ自動車業界のビック3の一角、クライスラーが破産法を申請しました。破産法と言っても日本の法律と異なり、再生を目指すものです。ですが、破綻には間違いがなく、日本で言えば倒産ということになります。ビック3の経営状況を見れば致し方ないのかもしれませんが、今まで散々注入してきた公的資金はムダになってしまうのでしょうか?

 オバマ氏は、今回の破綻に関して利益を諦めなかったヘッジファンドの責任と攻撃し、その上でクライスラーの復活を宣言しています。これは良いのですが、またしても出た「Buy American」。クライスラーが破綻すれば日本企業も大きな痛手を被ります。2社が既に名前が挙がっています。いくら公的資金を注入したからと言って、日本企業が大きな痛手を被っているにも関わらず、なぜ「Buy American」なのでしょうか? 小生もクライスラーの復活を祈っていますが、それがアメリカの保護主義による復活では日本の企業が浮かばれません。

 このクライスラー破綻は、オバマ氏の指導力の欠如が原因ではないかと勘ぐりたくなります。きっと、もっと指導力のある大統領なら破綻を避けられたのではないか、少なくともヘッジファンドを攻撃したりせず、自らの失政をアメリカ国民や債権者に対して詫びるのが先ではないでしょうか? 責任回避ともとれるこの発言に怒りを覚えました。